~ どれを選ぶのが正解?~エコキュート vs ガス給湯器 vs 電気温水器
はじめに
家庭の暮らしに欠かせない「お湯」。毎日使うものだからこそ、給湯器選びは大切なポイントです。最近では「エコキュート」が話題になることも多いですが、従来の「ガス給湯器」や「電気温水器」と比べて何が違うのか、そして本当に自分の家に合っているのか、迷う方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、3つの給湯方式を比較しながら、それぞれの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
もくじ
エコキュートとは?
エコキュートは「電気でお湯をつくる」給湯器のひとつですが、従来の電気温水器とは仕組みが少し違います。
-
仕組み:空気中の熱をヒートポンプで取り込み、その熱を使ってお湯を沸かす
-
電気温水器との違い:ヒーターで直接お湯を温めるのではなく、「空気の熱を利用する」ため、消費電力が少ない
-
省エネ性能:電気代はガス給湯器や電気温水器と比べてもダントツに安い(およそ3分の1程度)
また、夜間の安い電気を使ってお湯をつくりためておけるため、光熱費削減につながります。最近では太陽光発電と組み合わせて「昼間の余剰電力でお湯を沸かす」使い方も人気です。※おひさまエコキュートって何?
エコキュートのメリット
-
光熱費が安い(長期的に見ると最も経済的)
-
環境にやさしく、CO₂削減効果が大きい
-
夜間電力や太陽光発電と相性が良い
-
停電時でも貯湯タンクにお湯があれば生活用水として使える
エコキュートのデメリット
-
初期費用が高い(設置費用は約70〜100万円)
-
貯湯タンクが大きいため、設置スペースが必要
-
沸き増しに時間がかかる(大量に使うとお湯切れの可能性あり)
-
極寒地では効率が落ちやすい
ガス給湯器とは?
昔から一般家庭で多く使われてきた給湯器が「ガス給湯器」です。
-
仕組み:ガスを燃焼させ、その熱でお湯をつくる
-
特徴:必要なときにすぐお湯を出せる「即湯性」が魅力
ガス給湯器のメリット
-
初期費用が安い(10〜30万円程度)
-
コンパクトで設置しやすい
-
お湯切れがなく、必要なときに大量に使える
-
追い焚きや床暖房と連動できるタイプも多い
ガス給湯器のデメリット
-
ランニングコスト(ガス代)が高い
-
CO₂排出量が多く、環境負荷が大きい
-
災害時(ガス供給が止まると)使えない
-
都市ガス地域かプロパン地域かでコストに差が出る
電気温水器とは?
エコキュートが登場する前、オール電化住宅に広く普及していたのが「電気温水器」です。
-
仕組み:電気ヒーターで水を加熱してタンクにためる
-
特徴:構造がシンプルで壊れにくいが、電気代が高め
電気温水器のメリット
-
初期費用が比較的安い(30〜50万円程度)
-
構造が単純で故障が少ない
-
夜間電力を使う契約なら一定の節約は可能
-
停電時でも貯湯タンクにお湯が残っていれば使える
電気温水器のデメリット
-
ランニングコストが高い(電気代がかさむ)
-
エコキュートと比べると省エネ性が低い
-
大きなタンクが必要で設置場所をとる
-
お湯切れが起こりやすい
3つの給湯器を徹底比較
項目 | エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 |
---|---|---|---|
初期費用 | 高い(70〜100万) | 安い(10〜30万) | 中程度(30〜50万) |
光熱費 | ◎ 最も安い | △ 高い | × 割高 |
環境性 | ◎ CO₂削減効果大 | × CO₂多い | △ やや不利 |
設置スペース | 広いスペース必要 | コンパクト | 広いスペース必要 |
お湯切れ | △ 可能性あり | ◎ なし | △ ありやすい |
災害時 | △ 電気が必要だが貯湯は可能 | × ガス供給止まると使えない | △ 貯湯分は使える |
寿命 | 約10〜15年 | 約10年 | 約15年 |
どれを選ぶべきか?
-
長期的な光熱費を安くしたい/太陽光発電がある家庭 → エコキュートがおすすめ
-
初期費用を抑えたい/すぐに大量のお湯を使いたい家庭 → ガス給湯器が有利
-
壊れにくさ重視/電気契約が有利な家庭 → 電気温水器も選択肢
特に近年は「電気代高騰」と「ガス代高騰」の両方が話題になりますが、将来の電力市場や再エネ普及を考えると、エコキュートが最も持続可能な選択肢といえるでしょう。
まとめ
エコキュート・ガス給湯器・電気温水器は、それぞれ一長一短があります。初期費用だけでなく、毎月のランニングコスト、環境への影響、災害時の使いやすさまで含めて比較することが大切です。
「とりあえず安く導入したい」ならガス給湯器、
「長期的に光熱費を下げたい」ならエコキュート、
「壊れにくさやシンプルさ重視」なら電気温水器。