はじめに
電気代の高騰や災害による停電のリスクが増えている今、私たちの暮らしに欠かせないものになってきているのが「電気」です。そして、車業界ではEV(電気自動車)が少しずつ普及しはじめています。環境にやさしいだけでなく、走行性能や維持コストの面でも注目されるEVですが、その価値をさらに広げる仕組みが V2H(Vehicle to Home) です。今回、国は「令和6年度補正予算・令和7年度予算」において、クリーンエネルギー自動車の普及を後押しするための補助金を大幅に拡充しました。その中には 「V2H充放電設備」の導入をサポートする制度 も盛り込まれています。この記事では、V2Hの基本から、補助金のポイント、導入による暮らしの変化まで、わかりやすく解説していきます。
もくじ
V2Hとは?
V2Hとは「Vehicle to Home」の略で、直訳すると「車から家へ」。従来、EVは家庭や外部の充電器から「電気を受け取る」だけでしたが、V2Hを導入すると 「EVにためた電気を家庭に戻す」ことが可能 になります。
例えば、
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昼間に太陽光発電でつくった電気をEVに充電し、夜にその電気を家で使う
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停電のとき、EVから家に電気を送って冷蔵庫や照明を動かす
といった使い方ができるのです。
つまり、EVは「移動する電池」から「家庭を支えるエネルギー基地」に進化するというわけです。
なぜV2Hに補助金が出るの?
便利そうなV2Hですが、導入には数十万~100万円以上のコストがかかります。「欲しいけど高い」という声も多く、なかなか普及が進まない要因となっていました。国が補助金を出す理由は大きく3つあります。
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EV普及の後押し
充電だけでなく家庭での利用もできるとなれば、EVの魅力が格段にアップし、購入を検討する人が増えます。 -
災害時のレジリエンス強化
日本は自然災害が多い国。停電時でも電気が使える家庭が増えれば、防災力が向上します。 -
再エネの有効活用
太陽光発電と組み合わせれば、昼間の余剰電力をEVにため、夜に使うことで「エネルギーの地産地消」が進みます。
こうした効果を見込んで、国はV2H設備への補助を手厚くしているのです。
令和6年度補正・令和7年度予算「V2H補助金」の概要
今回の補助金は、「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」の一部として実施されます。
主なポイント
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対象者:V2H充放電設備を設置する個人や法人
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対象機器:国が指定するV2H機器(補助対象機種リストあり)
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補助額:機器費用と設置工事費の一部(条件によって数十万円規模)
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申請方法:販売店や施工業者を通じて申請するのが一般的
特に太陽光発電やEVをすでに導入している家庭では、V2Hを組み合わせることで電気の自給自足に近づけるため、補助の恩恵を強く受けられます。
V2H導入で得られる生活のメリット
補助金を活用してV2Hを導入すると、私たちの生活はどう変わるのでしょうか?
1. 電気代の節約
電力会社の料金は「時間帯によって値段が違う」プランが多くあります。安い深夜にEVを充電し、昼間の高い時間帯に家庭でその電気を使えば、電気代を賢く抑えられます。
2. 災害時の安心
停電時でもEVに満充電があれば、家庭の電気を数日間まかなえます。冷蔵庫や照明、スマホ充電、テレビなど最低限の生活機能を維持できるのは大きな安心です。
3. 太陽光発電との相性抜群
昼間の余剰電力をEVにため、夜に使えば「売電に頼らない自家消費生活」が可能になります。再エネの利用率が高まり、環境にも優しい暮らしが実現します。
4. EVの価値がさらに高まる
「走る+電気をためる+家庭で使える」という3役をこなすことで、EVの魅力が倍増します。
実際の活用イメージ
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平日夜:仕事から帰宅後、EVにためた電気で家族の夕食や照明に利用。
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夏の昼間:太陽光で発電 → EVに充電 → 夜のエアコンや冷蔵庫に使用。
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災害時:停電が数日続いても、EVとV2Hで最低限の生活を維持。
「もしもの備え」と「毎日の節約」、どちらにも強い味方となるのがV2Hです。
海外と日本の未来
海外では「V2G(Vehicle to Grid)」という、EVの電気を家庭だけでなく電力網全体に供給する仕組みも進められています。日本でも将来的には、地域の電力をEVで支える時代が来るかもしれません。その第一歩として、国が後押ししているのが「V2H補助金」なのです。
まとめ
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V2Hは「車から家庭に電気を送れる」仕組み
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電気代の節約、防災、再エネ活用に大きなメリット
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導入費用が高いのが課題だが、国の補助金で大幅に軽減可能
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令和6年度補正・令和7年度予算でV2H補助が拡充
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今後はEV+V2Hが当たり前の暮らしに
V2Hは、これからの暮らしを変える大きなカギ。
「まだ自分には早いかな」と思う方も、補助金制度をうまく活用すれば、意外と現実的な選択肢になります。数年後、「車は走るだけでなく、家族の生活を守る存在」という考え方が当たり前になっているかもしれません。電気自動車をお持ちの方で、V2Hをご検討されている方はこの補助金を活用しての導入をおすすめします。