太陽光発電を設置してからの電気代は毎月いくらくらいになるのか?
「太陽光発電を設置したら、毎月の電気代ってどれくらい安くなるの?」多くのお客様から、最初にいただくご質問のひとつです。確かに、太陽光パネルを設置すると「電気をつくる生活」に変わりますが、具体的にどのくらいの節約効果があるのかは、実際に数字で見ないとイメージが湧きにくいですよね。
この記事では、九州電力の電気契約を例にとり、
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契約プランによる電気代の違い
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太陽光発電を設置した場合の電気代の変化
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売電による収入の仕組み
を、できるだけわかりやすく解説していきます。
もくじ
電気代が決まる仕組みを理解しよう
まずは「電気代の内訳」について簡単におさらいしておきましょう。電気代は主に次の3つで構成されています。
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基本料金
電気を使っていなくても毎月かかる固定料金です。 -
電力量料金
使った電力量(kWh)に応じて支払う部分です。時間帯や使用量によって単価が変わるプランもあります。 -
燃料費調整額・再エネ賦課金
火力発電の燃料費変動や再生可能エネルギー普及のための費用として毎月加算されます。
この3つを合計したものが、毎月の電気代として請求されます。では次に、九州電力の主な契約プランを見ていきましょう。
九州電力の電気契約プランにはいくつか種類がある
九州電力では、家庭のライフスタイルや住宅設備に合わせてさまざまな電気契約プランが用意されています。代表的なものは次の2つです。
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オール電化住宅向け:「電化deナイト・セレクト」
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一般住宅向け:「スマートファミリープラン」
また、2024年4月からは「おひさま昼トクプラン」という新しい料金プランもスタートしました。この新プランは太陽光発電との相性も良いため、今後注目されています。こちらは別コラムで詳しくご紹介予定です。それではまず、一般住宅向けの「スマートファミリープラン」から説明していきましょう。
スマートファミリープランの特徴
「スマートファミリープラン」は、昼夜問わず常に同じ単価で電気を使える契約です。ただし、使用量に応じて3段階に料金が上がる仕組みになっています。
3段階の料金体系
使用量区分 | 単価(円/kWh) | 該当使用量 | 金額 |
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0〜120kWh | 18.37円 | 120kWh | 2,204円 |
121〜300kWh | 23.97円 | 180kWh | 4,314円 |
301kWh以上 | 25.87円 | 200kWh | 5,174円 |
合計:11,692円
※例:月500kWh使用時
つまり、電気を使えば使うほど割高になる「段階的料金制」です。このため、電力使用量が少ない方ほどお得なプランとなります。
スマートファミリープランが向いているのはこんな方
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単身赴任・一人暮らしの方
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日中の在宅時間が短く、電気使用量が少ない方
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オール電化ではない一般住宅の方
逆に、家族が多く電力使用量が多いご家庭では、料金が高くなりやすい傾向があります。
電化deナイト・セレクトの特徴
一方で「電化deナイト・セレクト」は、時間帯によって電気代が変わるプランです。特に夜間の単価が安く設定されているのが特徴で、オール電化住宅に最適なプランです。
時間帯ごとの料金体系(例)
時間帯 | 単価(円/kWh) | 特徴 |
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平日昼間 | 27.63円 | 高めの料金設定 |
休日昼間 | 22.01円 | 平日より安い |
夜間 | 14.59円 | 非常に安い! |
電化deナイト・セレクトが向いている方
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共働きで日中は家にいない世帯
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夜間に電気を多く使う家庭(お風呂・洗濯など)
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オール電化住宅にお住まいの方
夜間にエコキュートやIHなどを使用するオール電化住宅では、このプランを選ぶことで大幅な節約が可能です。
500kWh使った場合の電気代シミュレーション
区分 | 使用量 | 単価 | 金額 |
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平日昼間 | 50kWh | 27.63円 | 1,381円 |
休日昼間 | 150kWh | 22.01円 | 3,301円 |
夜間 | 300kWh | 14.59円 | 4,377円 |
合計:9,059円
スマートファミリープランよりも約2,600円お得です。夜間に使用を集中できる家庭なら、断然こちらのプランがおすすめです。
オール電化住宅(600kWh使用)の電気代シミュレーション
ここからは、オール電化住宅を想定してよりリアルにシミュレーションしてみましょう。
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契約:電化deナイト・セレクト
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月間使用量:600kWh
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基本料金:1,888円
電力量料金
時間帯 | 使用量 | 単価 | 金額 |
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平日昼間 | 50kWh | 27.63円 | 1,381円 |
休日昼間 | 150kWh | 22.01円 | 3,301円 |
夜間 | 400kWh | 14.59円 | 5,836円 |
電力量料金合計:10,518円
基本料金を加えると、ここまでで12,406円ほどになります。ここにさらに、「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」が加減されます。
「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」について
電気料金の明細書を見たことがある方なら、一度は目にしたことがあると思います。それぞれの意味を簡単に説明します。
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燃料費調整額:原油やLNGなどの燃料価格が変動した際に、その分を電気料金に反映する仕組み。
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再エネ賦課金:再生可能エネルギーの普及を支えるため、全国の電力利用者が負担する費用。
実際の計算例
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燃料費調整額:600kWh × −1.62円 = −972円
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再エネ賦課金:600kWh × 1.4円 = 840円
結果、電気代合計は約12,274円となります。
太陽光発電を設置したら電気代はいくら安くなる?
いよいよ、太陽光発電を設置した場合のシミュレーションに入ります。今回は、5kWの太陽光発電システムを導入したケースで見ていきましょう。
年間発電量と自家消費の考え方
九州地方では、5kWシステムで年間およそ5,800kWh前後の発電が見込めます。月平均にすると、約483kWhの電気をつくる計算です。このうち、自宅で使う電力量(=自家消費分)を120kWhと仮定します。(※日中在宅が多いご家庭は150〜200kWhになることもあります)
太陽光設置後の電気代計算
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電力会社から買う電力量:600kWh − 120kWh = 480kWh
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電力量料金:7,708円
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燃料費調整額(480kWh × −1.62円):−777円
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再エネ賦課金(480kWh × 1.4円):672円
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基本料金:1,888円
合計:9,491円
太陽光設置前(12,274円)に比べて、約2,783円の節約が実現しました!
売電収入でさらにお得に!
さらに太陽光発電の魅力は、余った電気を「売る」ことができる点です。これが「売電(ばいでん)」と呼ばれる仕組みです。2024年度の売電単価は1kWhあたり16円(10年間固定)※最新の売電情報はこちらをチェック!
自家消費120kWhを除いた余剰分363kWhを売電すると…
363kWh × 16円 = 5,808円
つまり、毎月およそ5,800円の売電収入が得られます!
太陽光設置前と設置後の比較
項目 | 設置前 | 設置後 |
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電気代 | 12,274円 | 9,491円 |
売電収入 | なし | 5,808円 |
実質負担額 | 12,274円 | 約3,700円 |
結果として、実質の電気代は約3分の1に!太陽光発電を導入することで、電気代の大幅な削減が期待できます。
さらに節約を目指すなら「蓄電池」もおすすめ!
太陽光発電でつくった電気は、日中に使いきれない分を売電できますが、「夜間に使いたい!」という場合は蓄電池があると非常に便利です。
蓄電池を導入すれば、
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昼間発電した電気を夜に使える
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停電時の非常用電源としても活躍
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売電単価の下落にも左右されにくくなる
など、経済的にも防災面でもメリットが大きくなります。
太陽光発電+オール電化は相性抜群!
実は、太陽光発電とオール電化の組み合わせは非常に相性が良いのです。夜間の安い電力を活用しつつ、日中は太陽光で自家発電。つまり「買う電気を最小限に抑える」ことができます。
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夜間:電化deナイト・セレクトの安い電気でお湯を沸かす
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昼間:太陽光で発電した電気を使う
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余った分は売電
というサイクルができあがるため、光熱費のトータル削減につながります。
まとめ:太陽光発電で電気代を賢く減らす時代へ
太陽光発電を導入すると、
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電気代が減る
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売電収入が得られる
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将来の電気料金値上げにも備えられる
といった多くのメリットがあります。
もちろん、設置には初期費用がかかりますが、補助金制度やリースを上手に活用すれば、家計に負担をかけず導入できるケースも増えています。株式会社eco住まいるでは、お客様のご家庭に合わせた電気代の試算や、太陽光+蓄電池のシミュレーションも無料で行っています。「うちの場合はどうなるの?」と気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。